生理学基礎講座|血液成分

血液

血液は体重の約7%を占める粘稠性の液体です。血液に抗凝固薬を加えて遠心分離すると上清液(液面付近の透明な部分)と沈殿部に分かれます。

上清液は血漿(55%)、沈殿部分は血球成分(45%)です。血漿は水分(約90%)、タンパク質・糖質・脂質・老廃物の有機物、ナトリウムイオンや塩素イオンなどの電解質からなります。血球成分は赤血球白血球血小板に分かれます。これらは骨髄(造血幹細胞)で作られ循環血液中に放出されます。

 

ヘマトクリット

血液に抗凝固薬を加えて遠心分離すると血漿と血球に分離します。血球成分は白血球と血小板からなる白い薄層とその下に赤血球に分離されます。

血液中の赤血球の割合をヘマトリック(Ht)といいます。医療機関や検査方法により基準値は若干異なりますが、男性は40-50%、女性は34-45%になります。ヘマトクリット値が低値の場合は貧血、高値の場合は多血症(赤血球増加症)、脱水が疑われます。

 

血漿と血清

血液を採取して放置すると凝固します。血液に抗凝固薬を加えずに遠心分離すると沈殿部分と液性成分に分離しますが、抗凝固薬を加えた場合と少し異なります。

沈殿部分を血餅、液性部分を血清と呼びます。血餅は血漿に含まれるフィブリノゲンが線維状のフィブリンに変化して血球成分に絡みとられて凝固したものです。そのため、血清は血漿からフィブリノーゲンなどの血液凝固因子が除かれた成分になります。血清は総蛋白、肝機能や腎機能などの検査に利用されます。

 

参考文献

厚生労働省:e-ヘルスネット




-生理学, 解剖学・運動学・生理学

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