正中神経麻痺|理学療法士・作業療法士国家試験必修ポイント

正中神経の走行

正中神経の走行を示します.左から右へ遠位へ向かっている図になります.

 

 

正中神経は肘の前方を走行します.そして,長母指屈筋長掌筋浅指屈筋円回内筋に筋枝を出します.そして,円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を通過します.円回内筋を通過した後に2つに分岐します.

一方は前骨間神経となって手関節の手前まで走行します.前骨間神経になった後に,深指屈筋(示・中指),長母指屈筋方形回内筋に筋枝を出します.

正中神経は,手根管を通過して母指対立筋短母指外転筋短母指屈筋虫様筋(第1・2)に筋枝を出します.

ココがポイント

この図を覚えれば正中神経麻痺は70%攻略と言っても過言ではありません.神経の走行と支配する筋をしっかり把握して下さい!

 

正中神経麻痺

受傷転機

肘関節部周囲での挫傷を伴った骨折や絞扼性神経障害などにより正中神経が損傷され正中神経麻痺を呈します.障害部位により低位麻痺と高位麻痺に分類されます.

絞扼性神経障害

末梢神経が筋,靭帯や骨などに囲まれた経路で締め付けられて発生する病態です.正中神経の代表的な絞扼性神経障害は,円回内症候群手根管症候群です.

 

低位麻痺

橈骨遠位端骨折や手根管症候群など前腕遠位部や手根部で神経が損傷された場合に障害がみられます.

 

高位麻痺

上腕骨顆状骨折や円回内筋症候群など上腕下部や前腕部で神経が損傷された場合に障害がみられます.

障害筋 特徴
低位麻痺 母指対立筋,短母指外転筋,短母指屈筋,虫様筋 母指球筋の萎縮猿手
前骨間神経麻痺 深指屈筋,長母指屈筋,方形回内筋 涙のしずく徴候
高位麻痺 長橈側手根屈筋,長掌筋,浅指屈筋,円回内筋,前骨間神経および低位麻痺で障害を受ける筋 祈祷肢位変形

ココがポイント

正中神経には多くの交感神経が含まれます.そのため,正中神経損傷により支配領域皮膚の細動脈拡張や発汗障害が出現します.

 

感覚障害

掌側は母指から環指(橈側)と橈側の掌側面にしびれや疼痛が出現します.

手背は示指から環指(橈側)にしびれや疼痛が出現します.

ココに注意

前骨間神経は正中神経から分枝した運動枝です.そのため,感覚障害は出現しません

 

 

検査

ファレン(Phalen)テスト

ファレン(Phalen)テストは神経誘発検査です.手指伸展・手関節掌屈位で約1分間保持します.

陽性の場合は正中神経領域(母指・示指・中指)のしびれや疼痛が増悪します.手根管症候群の場合は陽性になります.

 

パーフェクトOテスト

パーフェクトOテストはスクリーニング検査になります.母指と示指で円形(OKサイン)をつくるように指示します.

正常ではきれいなアルファベットのO字形になります.指節間関節の屈曲が上手く行えず水滴(涙のしずく:tear drop)形になります.前骨間筋麻痺の場合は陽性になります.

 

尺骨神経麻痺|理学療法士・作業療法士国家試験必修ポイント

目次尺骨神経の走行尺骨神経麻痺低位麻痺高位麻痺感覚障害検査肘関節屈曲テストフロマン徴候(Froment’s sign)ワルテンベルグ徴候指交差(cross-finger)テスト参考文献 尺骨神経の走行 ...

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参考文献

・山口昇ほか:標準作業療法学 専門分野 身体機能作業療法学 第3版.医学書院.

・井樋栄二ほか:標準整形外科学 第14版.医学書院.

・野村嶬:標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 解剖学 第3版.医学書院.




-整形外科

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