重症筋無力症|PT・OT国家試験対策講座

重症筋無力症(myasthenia gravisMG)とは?

重症筋無力症は、神経筋接合部(シナプス後膜)のアセチルコリン受容体の作用を妨げる抗体が体内で生成される自己免疫疾患です。男女比=1:1.7で女性に多いです。約80%に胸腺異常(胸腺腫など)が認められます。

 

症状

眼瞼下垂や眼球運動障害による複視が初発症状になることが多いです。筋力低下(近位筋)、軽度の活動で易疲労性や脱力が特徴です。また、球麻痺により嚥下障害が出現する可能性もあります。

症状は日内変動があり(夕方に症状が強い)、活動により症状は増悪しますが、安静により回復します。

ココに注意

感染や過労・疲労などが引き金になり、症状が呼吸筋におよび呼吸不全を起こす場合もあります。生命を脅かす状態をクリーゼ(急性増悪)といいます。

 

検査

エドロホニウム塩化物(抗アセチルコリンエステラーゼ薬)の静注により症状の劇的な改善が認められれば重症筋無力症と診断されます(陽性率約90%)。この検査はテンシロンテストといいます。

筋電図では、誘発筋電活動電位が低頻度の連続刺激で振り幅が漸減します。この現象をwaning現象といいます。

ココがポイント

Lambert-Eaton syndrome(ランバート・イートン症候群)では振幅は漸増します(waxing)。前シナプスに病因がある自己免疫疾患で40歳以上の男性に多です。そして重症筋無力症に比べ外眼筋は侵されにくいです。重症筋無力症と対比して覚えていてもいいですね。

 

治療

免疫療法、血液浄化療法,対症療法(抗コリンエステラーゼ薬など)、胸腺腫の合併があれば摘出術が行われます。一般的に予後良好ですが、一部で障害が進行する例あります。また、悪性胸腺腫が合併する場合は予後不良です。

 

リハビリテーション

廃用症候群の予防とADL障害の軽減に対する支援を実施します。他動運動から開始して、筋疲労の訴えに注意を払いながら低負荷でかつ低頻度の活動から開始します。

 

動画資料

 

参考文献




-神経内科

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