日本における作業療法士免許取得者は約10万人です.私が免許を取得した20年前には約2万人程度しかいませんでした.作業療法士が増えるにつれて,しっかり実績を残さなければと考える人が増えていると思います.
作業療法士にとって実績とはなんでしょうか?
作業療法士にとっての実績
先日,日本作業療法士協会のポータルサイト(個人ページ)がリニューアルされました.その中の会員情報に実績という項目が設けられました.
この中身をみると…
つまり「発表・著作物」と「審査員・後輩育成・社会貢献」が実績です.
発表・著作物
ずばり「論文」と「学会発表」などの学術活動です.
このような活動をするには最新情報へのアクセスが不可欠です.また問題意識を持って日々の仕事に取り組んでいないとできないと思います.
実は論文や学会発表をする際には,内容を審査する「査読」と呼ばれるチェックを受けます.査読をする査読者(通常は2-3名)から提出した論文や学会発表の内容に対し説明を求められたり,修正を指示されます.この過程で自分が行なってきた作業療法を振り返ることになります.
論文投稿や学会発表を行うことにより確実に作業療法士としてスキルアップします.
審査員・後輩育成・社会貢献
「査読」・「研修会講師」・「実習指導」などです.これらは自ら進んで行うものではなく,学術活動をしていると自然に依頼されるものです.
この活動を通じて多くの作業療法士や他職種の方々と出会い,さまざまな知識や見識を得ることができます.そして,学術活動と同様に作業療法士としてスキルアップします.
学生・新人作業療法士のみなさんへ
作業療法士の仕事は物づくりなどの仕事とは異なり,仕事の結果が形として残りにくいと思います.しかし,実績は形として残ります.そして振り返ることができます.
初めての学会発表や初めて論文が掲載された時の喜びは何年経っても色褪せません.ぜひ経験して欲しいです.
「真摯に仕事に取り組んでいたら実績がついていた」このような作業療法人生を歩みたいですね.