人体には多くの骨格筋があります.PT・OT国家試験においては,骨格筋の付着部(起始・停止),支配神経,作用が出題されます.人体にはたくさんの骨格筋が存在するため,出題頻度の高い骨格筋に絞って学習する必要があります.ここでは出題頻度の高い骨格筋について解説します.
肩甲骨に作用する筋
起始・停止・神経支配
出題頻度の高い順に上から下にまとめています.小菱形筋は過去10年は出題されていません.表が見づらい場合はこちらをクリックしてください.
前鋸筋
起始部がギザギザの形状になっています.この形状がノコギリに似ているため鋸筋と言われます.前鋸筋は肩甲骨が胸郭にしっかりつなぎ止める作用があります.長胸神経損傷に伴い前鋸筋麻痺になり上肢挙上時に肩甲骨が胸郭から浮き上がります(翼状肩甲).
作用
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肩関節に作用する筋
起始・停止・神経支配
付着(起始・停止),神経支配が問われる問題が多いです.特に上腕骨頭周辺(大結節・小結節)に付着する筋の区別と神経支配をしっかりと覚える必要があります.
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回旋筋腱板
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4筋をあわせて回旋筋腱板(rotator cuff)と呼びます.回旋筋腱板は上腕骨頭で腱板状になって関節包に癒合して付着し,不安定な肩関節を補強します.
作用
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肘関節に作用する筋
起始・停止・神経支配
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二関節筋
上腕二頭筋と上腕三頭筋(長頭)は二関節筋です.両筋ともに肩甲骨から橈骨もしくは尺骨に付着します.そのため,肩関節と肘関節の運動に作用します.
二関節筋は遠位関節の主動筋になりやすく,拘縮をおこしやすい!
二重神経支配の筋
上腕筋は橈骨神経と筋皮神経に支配されています.
作用
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ココに注意
肘関節屈曲には上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋が作用します.前腕回外時は上腕二頭筋,中間位は腕橈骨筋の作用が強くなります.また,腕橈骨筋は前腕の回外・回内の両方に作用する筋です.
国家試験対策問題
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この資料は「中村隆一ほか:基礎運動学 第6版補訂.医歯薬出版株式会社」を参考に作成しました.
参考文献
・中村隆一ほか:基礎運動学 第6版補訂.医歯薬出版株式会社.
・坂井建雄ほか:解剖学(PT・OTビジュアルテキスト専門基礎).羊土社.
・野村嶬:解剖学 第5版.医学書院.