人格検査|PT・OT国家試験対策講座

人格検査

人格検査は対象者の情緒的適応,社会適応,動機,欲求,興味,態度,習慣などの人格特性を測定する評価法です.人格検査は質問紙法投影法作業検査法に分類されます.

PT・OT国家試験において出題傾向の高い分野です.近年は,検査内容を把握していないと正解を導けない出題もあります.ここではPT・OT国家試験に対応できるように,各検査の詳細な内容を解説します.

 

質問紙法

設定された質問項目に,被験者は「はい」or「いいえ」などの選択肢から回答します.その回答から性格などを判断する方法が質問紙法です.一度に複数人の実施が可能で,得点化や結果の解釈に高度な熟練度は必要ありません.しかし,質問内容から被験者が意図的に回答を操作する可能性や,読解能力の問題により質問の意図を誤って解釈する場合があります.

 

ミネソタ多面的人格検査(MMPI)

550の質問項目から構成される自記式質問紙法です.被験者は550の質問に対して「当てはまる」または「当てはまらない」で回答します.4つの妥当性尺度10の臨床尺度(合計14尺度)に従って整理して人格グラフを作図します.妥当性尺度は被験者の受験態度の偏り(虚偽や曖昧な回答する傾向),臨床尺度は人格特性を判断します.

人格を多面的に評価することが可能です.MMPIは15歳以上から適応になります.

 

コーネルメディカルインデックス(CMI)

身体症状144項目(A-L区分),精神症状51項目(M-R区分)の合計195項目の質問から構成されます(日本語版では男性16項目,女性18項目が加えられます).被験者の心身両面の自覚症状を確認します.

身体的訴え(A-L区分),精神的訴え(M-R区分)に分けて整理,一定の基準に従って情緒障害,精神症傾向の有無が判定ができます.

 

矢田部・ギルフォード検査(Y-G検査)

120項目(12尺度で各10問)の質問から構成される自記式質問紙法です.被験者は質問に対して「はい」,「いいえ」,「どちらでもない」のいずれかで回答します.回答の結果から性格特性を12尺度(抑うつ性,回帰的傾向,劣等感,神経質,客観性,協調性,攻撃性,一般的活動性,呑気さ,思考的外向,支配性,社会的外交性)のバランスによって類型化します.

検査用紙は小学生用,中学生用,高校生用,大学・一般用の4種類があり,小学生以上から検査を実施することが可能です.

 

東大式エゴグラム(TEG)

53項目の質問から構成される自記式質問紙法です.批判的な親(critical parent:CP),養育的な親(nurturing parent:NP),大人(Adult:A),自由な子供(free child:FC),順応した子供(Adapted child:AC)のプロフィールで自我状態を表します.

 

投影法

図形や文章などの課題に対して,被験者の反応(表出)から判定する方法が投影法です.質問紙法に比べ得られる情報量が多く,個人の特徴が反映されやすい傾向にあります.そして,被験者は検査の目的が推測しづらいので,意図的な反応をすることが困難なため,本人が自覚していない特徴が現れやすいです.

 

ロールシャッハテスト

被験者に対して左右対称性の意味のないインクのしみ(インクブロット)でできた図版を見せ,何に見えるかを述べさせます(自由連想).その応答を分析することにより人格の知的側面と人格面を判断します.

反応数,反応領域,反応規定因,反応内容,反応時間をみます.また,おおよその知能指数(IQ)が判定できます.

 

絵画統覚検査(TAT:Thematic Apperception Test)

主題統覚検査とも呼ばれます.被験者に絵を1枚ずつ見せ,その場での過去,現在,未来について語らせる.その結果から心理状態を分析します.児童用にはCAT(Childeren's Apperception Test),高齢者用にはSAT(Senior Apperception Test)が使用されます.

 

P-Fスタディ(絵画・欲求不満テスト)

被験者に日常場面で経験する欲求不満場面の絵を見せて応答する文章を記述させます.無意識的な葛藤や欲求などの心理的内容を絵画に投影させることで性格構造を分析します.

被験者の攻撃方向(他責・自責・無責),攻撃型(障害有意型・自我防衛型・欲求固執型)を9分類して性格特性を判断することができます.

 

HTPHouse-Tree-Person Test

HTPP(House Tree Person-Person Test)とも呼ばれます.被験者に家屋(house),樹木(tree),人物(person)の絵を自由に描画させます.その後に64項目の質問を行います.自由描画および質問への回答内容から被験者の人格特性,外界の認知方法,心理的外傷体験,防衛機制などが判断することができます.

 

文章完成テスト(SCT:Sentence Completion Test)

不完全な文章(「私はできないことは・・・」,「私はよく人から・・・」など)を被験者に示して文章を完成させる自記式質問紙法です.被験者に自由に記述させることで知能,性格,興味などの人格を全体的に把握することが可能です.

 

バウムテスト

被験者に1本の木を描かせます.その結果から心理状態を分析します.

 

作業検査法

内田・クレペリン精神テスト

被験者に1桁の足し算を30分(15分×2セットの間に5分休憩)行わせる作業検査法です.作業量と作業曲線(初頭努力・動揺率・V字落ち込み,休憩時間効率)により評価判定を行う.

 

参考文献

・内山靖ほか:リハベーシック 心理学・臨床心理学.医歯薬出版株式会社.

・大熊輝雄:現代臨床精神医学.金原出版株式会社.

・上野武治:精神医学 第4版.医学書院.

・岩﨑テル子ほか:作業療法評価学 第3版.医学書院.




-臨床心理

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