第51回 PT・OT国家試験(午前91-100)
午前91
加齢による身体構成成分の変化において若年時と比べて体重比が増加するのはどれか。
1.骨塩
2.脂肪
3.細胞外液
4.細胞内液
5.細胞性固形物
+ 解説
解答:2
1:加齢により骨塩は減少して、骨粗鬆症のリスクが増加する。
3:細胞外液は年齢に関係なく一定である。
4:細胞数の減少に伴い細胞内液は減少する。
5:細胞性固形物(筋や内臓組織などの組織・細胞)は加齢により減少する。
*加齢により筋肉量は低下します。その結果、代謝が低下して脂肪量が増加する。
午前92
認知症をきたす疾患で脳外科的手術によって認知機能が改善する可能性があるのはどれか。2つ選べ。
1.Lewy小体型認知症
2.進行性核上性麻痺
3.慢性硬膜下血腫
4.Wernicke脳症
5.正常圧水頭症
+ 解説
解答:3・5
レビー小体型認知症・進行性核上性麻痺・ウェルニッケ脳症に対して外科的手術は行わない。
限局的な病変の慢性硬膜下血腫や発症直後の正常圧水頭症に外科的療法を行えば、認知症状が改善する可能性がある。
*正常圧水頭症の3大徴候は歩行障害・尿失禁・認知症が特徴である。
午前93
頸椎後縦靱帯骨化症の症候で正しいのはどれか。
1.鉛管様固縮
2.間欠性跛行
3.膀胱直腸障害
4.下肢腱反射消失
5.Wrightテスト陽性
+ 解説
解答:3
頸椎後縦靱帯骨化症の症状は頸部痛・肩こり・頸椎可動域制限 脊髄の圧迫が進行すると上肢しびれ・手指巧緻運動障害・下肢痙性麻痺などである。
1:鉛管様固縮は錐体外路徴候である。
2:間欠性跛行は下肢血流障害や馬尾神経圧迫などで出現する。閉塞性動脈硬化症・腰部脊柱管狭窄症など
4:脊髄症状(上位運動ニューロン障害)が出現するため反射は亢進する。
5:Wrightは胸郭出口症候群で陽性を示す。
午前94
突然の左不全片麻痺を呈して搬送された患者の発症後時間の頭部MRIの拡散強調像を別に示す。最も考えられるのはどれか。
1.脳出血
2.脳梗塞
3.脳腫瘍
4.脳動静脈瘻
5.くも膜下出血
+ 解説
解答:2
拡散強調画像は発症後数時間以内の脳梗塞の診断に有用である。
拡散強調画像は水のブラウン運動の様子をとらえたもので、水分子が動かなくなっている場所が高信号域に写る撮影方法である。
午前95
病態とその治療薬の組合せで正しいのはどれか。
1.関節リウマチ ―――――― メトトレキサート
2.ジスキネジア ―――――― L-dopa
3.重症筋無力症 ―――――― 抗コリン薬
4.前立腺肥大症 ―――――― 男性ホルモン
5.消化管出血 ――――――― アスピリン
+ 解説
解答:1
1:関節リウマチは非ステロイド性抗炎症薬、副腎皮質ホルモン薬、抗リウマチ薬・疾患修飾性リウマチ薬が使用される。メトトレキサート(疾患修飾性抗リウマチ薬)は第一選択薬である。
2:ジスキネジアはパーキンソン病治療薬の副作用で出現する。
3:重症筋無力症にはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬が使用される。
4:前立腺肥大症には抗アンドロゲン薬が使用される。
5:アスピリンは解熱・鎮痛・抗炎症作用と血小板凝集抑制作用がある。そのため、出血を伴う疾患には使用しない。
午前96
病名と症状の組合せで正しいのはどれか。
1.前頭側頭型認知症 ―――― 脱抑制
2.進行性核上性麻痺 ―――― 取り繕い
3.皮質基底核変性症 ―――― 認知の変動
4.Lewy小体型認知症 ――― 肢節運動失行
5.Alzheimer型認知症 ――― 垂直性眼球運動障害
+ 解説
解答:1
2:取り繕いはアルツハイマー型認知症でみられる。
3:認知の変動はレビー小体型認知症は中核的特徴の1つである。中核的特徴:認知の変動・幻視・レム睡眠行動障害・パーキンソンニズム
4:肢節運動失行は皮質基底核変性症でみられる。
5:垂直眼球運動障害は進行性核上性麻痺でみられる。
午前97
統合失調症の前駆期にみられるのはどれか。
1.聴覚過敏
2.奇異な妄想
3.滅裂な思考
4.感情の平板化
5.緊張病症候群
+ 解説
解答:1
統合失調症は前駆期→急性期→消耗期→回復期の4つの段階を経る。
2・3:妄想・滅裂思考は急性期にみられる。
4:感情の平板化は消耗期にみられる。
5:緊張病症候群は緊張型統合失調症でみられる。
*前駆期には知覚過敏・不安・思考力低下・引きこもりなどがみられる。
午前98
笑いなどの強い情動で突然に筋緊張が低下し脱力する。このような症状がみられるのはどれか。
1.欠神てんかん
2.側頭葉てんかん
3.ナルコレプシー
4.血管迷走神経失神
5.Jackson型てんかん
+ 解説
解答:3
強い情動で突然に筋緊張が低下するのは情動脱力発作(カタプレキシー)である。カタプレキシーはナルコレプシーの症状の1つである。ナルコレプシーの4大徴候は睡眠障害・カタプレキシー・入眠時幻覚・睡眠麻痺である。
1:欠神てんかんは突然の意識消失と数秒後の回復を特徴とする。
2:側頭葉てんかんは単純部分発作・複雑部分発作・二次性全般化に分類される。大部分は複雑部分発作で自動症の発作がみられる。
4:血管迷走神経性失神は精神的ショック・強い疼痛・過労などにより一過性に末梢血管の拡張が起こり血圧低下、徐脈となる。
5:Jackson型てんかんは運動野の局所的な興奮が隣接部に広がり、指先→腕→顔などと痙攣が波及する。
午前99
見捨てられ不安を特徴とするのはどれか。
1.依存性パーソナリティ障害
2.演技性パーソナリティ障害
3.回避性パーソナリティ障害
4.境界性パーソナリティ障害
5.自己愛性パーソナリティ障害
+ 解説
解答:4
1:依存性パーソナリティ障害は従順で受身的で相手にしがみつく行動をとる。
2:演技性パーソナリティ障害は過度の情動性により人の気を引こうとする。
3:回避性パーソナリティ障害は失敗や拒否することを避け、新しいことに着手せず引きこもる。
4:境界性パーソナリティ障害は対人関係・自己像・感情の不安定性と著しい衝動を示す。
5:自己愛性パーソナリティ障害は誇大的で称賛されたい欲求が強く、共感性は欠如する。
境界性パーソナリティ障害の特徴的な症状は、見捨てられ不安・衝動的な行動・自己像の不安定さ・不安定な対人関・感情の変動である。
午前100
全般的な知能に大きな低下はなく、文字を読めば分かるが書くことができない。このような症状がみられるのはどれか。
1.学習障害
2.行為障害
3.広汎性発達障害
4.Tourette症候群
5.注意欠如・多動性障害
+ 解説
解答:1
学習障害は全般的な知的発達の遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示すさまざまな障害である(文科省の定義)
2:行為障害は反社会的や反社会的な行動パターンが反復し、持続する障害である。
3:広汎性発達障害は対人関係・コミュニケーション・想像力・こだわりなどの領域に特性を持つ発達障害の総称である。
4:トレット症候群は運動チックと音声チックの併存が1年以上継続する状態である。
5:注意欠如・多動障害は不注意・多動性・衝動性が主症状である。