多発性硬化症
多発性硬化症に関する第50回以降の国家試験問題を詳しく解説しています!類似している問題が多くあるので解説をじっくり読みながら理解してください。
PT・OT共通
第52回 午前90
多発性硬化症について正しいのはどれか。
1.女性より男性に多い。
2.再発と寛解を繰り返す。
3.発症は50歳以上が多い。
4.後遺障害を残すことは稀である。
5.白色人種に比べて黄色人種に多い。
+ 解説
解答:2
解説
1・3.男女比は1:2-3です。15-50歳の女性(ピークは20歳代後半)といわれています。
4.再発と寛解を繰り返しながら全体として徐々に増悪します。
5.高緯度地域ほど患者の割合が高く、MSは欧米の白人に多いといわれています。
第56回 午後89
多発性硬化症について正しいのはどれか。
1.女性に多い。
2.高体温で症状が改善する。
3.低緯度地域で有病率が高い。
4.Phalenテストが陽性となる。
5.免疫不全状態で発症しやすい。
+ 解説
解答:1
解説
2.入浴や運動によって体温症状が上昇すると視力障害や麻痺症状が一過性に悪化する徴候をUhthoff(ウートフ)徴候といいます。多発硬化症ではウートフ徴候がみられます。
3.高緯度地域ほど患者の割合が高く、MSは欧米の白人に多いといわれています。
4.Phalen(ファーレン)テストは手根管症候群による正中神経麻痺を評価する検査です。
5.MSは原因不明ですが、自己免疫的な機序が発症に関連するといわれています。
PT専門
第51回 午後17
37歳の女性。5年前に多発性硬化症と診断。発症当初は再発寛解型であったが、2年前に二次進行型に移行し右痙性麻痺がある。2週間前から右内反尖足位の痙縮が増悪し、MAS〈modified Ashworth scale〉で段階2である。右足の痙縮に対する治療で適切なのはどれか。
1.赤外線療法
2.ホットパック
3.電気刺激療法
4.アキレス腱延長術
5.経頭蓋磁気刺激法
+ 解説
解答:3
解説
1・2.温熱療法はよって体温症状が上昇すると視力障害や麻痺症状が一過性に悪化す(Uhthoff徴候)可能性があります。
3.電気刺激療法は経皮的に電気刺激を加えることで、痙性の減弱・筋再教育、疼痛緩和などに用いられます。
4.MASは段階2で痙縮は強くないと判断できます。そのためアキレス腱延長術は適応になりません。
5.経頭蓋磁気刺激法
第53回 午前34
多発性硬化症において、頸部を前屈すると項部から下肢まで電撃痛が放散する徴候はどれか。
1.Gowers徴候
2.Lhermitte徴候
3.Patrick徴候
4.Tinel徴候
5.Uhthoff徴候
+ 解説
解答:2
解説
1.Gowers徴候(登はん性起立)はデュシェンヌ型筋ジストロフィーで認められます。大腿四頭筋や大殿筋などの筋力低下を補うように、起立時に大腿部に手をついて支えながら体を起こしていきます。
3.Patrick徴候は背臥位で患側を開排位して患側膝内側を下方へ圧迫した時に仙腸関節と股関節に痛みが出現します。変性疾患や炎時に出現します。
4.Tinel徴候は末梢神経の損傷部位を軽く叩くと痛みが神経損傷支配領域に放散する現象です。
5.入浴や運動によって体温症状が上昇すると視力障害や麻痺症状が一過性に悪化する徴候をUhthoff(ウートフ)徴候といいます。
第55回 午前17
55歳の女性。8年前に多発性硬化症と診断され、再発や寛解を繰り返し,2回の入院歴がある。現在は症状が落ち着いており、訪問理学療法で屋外歩行練習が実施されている。その際、理学療法士は運動強度を軽度から中等度とし、かつ、外気温の高い時間帯を避けて実施するなどに留意している。この理由として関係するのはどれか。
1.Barre徴候
2.Horner徴候
3.Lhermitte徴候
4.Tinel徴候
5.Uhthoff徴候
+ 解説
解答:5
解説
体温の上昇により神経症状が一過性に増悪するUhthoff徴候はMSの付随症状の1つです。
1.閉眼で両上肢を水平挙上させて保持させます。Barre徴候陽性の場合は、健側と比較して麻痺側は保持できず下がったり、回内したりします。軽微な片麻痺が疑われる時に実施します。
2.Horner徴候は交感神経の遠心路の障害で出現します。眼瞼下垂・縮瞳・眼裂狭小・病側顔面の発汗低下が出現します。
3.Lhermitte徴候は
4.Tinel徴候は末梢神経の損傷部位を軽く叩くと痛みが神経損傷支配領域に放散する現象です。
第57回 午後8
47歳の女性。多発性硬化症。30歳で発症し、寛解と増悪を繰り返した後、完全寛解していた。1週間前に視力低下と小脳症状が出現し、入院となった。視神経と右小脳半球に脱髄を認める。過回内テストで図のような動きが観察された。この患者にみられる所見はどれか。

1.振戦
2.運動分解
3.測定異常
4.協働収縮異常
5.反復拮抗運動不能
+ 解説
解答:3
解説
図は過回内検査の様子を示しています。過回内試験は患者に手掌を上に向けて(前腕回外)肘伸展位で水平挙上させます。その後、前腕を回内させます。障害側の前腕は過回内を起こします。過回内試験は小脳障害による測定障害を判断する検査法です。
第59回 午後39
寛解期にある多発性硬化症に対する理学療法の禁忌はどれか。
1.他動的な関節可動域練習
2.中等度強度の有酸素運動
3.低強度の筋力増強練習
4.電気刺激療法
5.温熱療法
+ 解説
解答:5
解説
温熱療法により体温症状が上昇し、神経症状が一過性に悪化する可能性があります(Uhthoff徴候)。そのため温熱療法は適切ではありません。
OT専門
第50回 午前28
多発性硬化症で正しいのはどれか。
1.男性に多い。
2.再発は少ない。
3.灰白質が病変となる。
4.60歳前後の発症が多い。
5.Uhthoff徴候が認められる。
+ 解説
解答:5
解説
1・4.男女比は1:2-3です。15-50歳の女性(ピークは20歳代後半)といわれています。
2.再発と寛解を繰り返しながら全体として徐々に増悪します。
3.中枢神経系(脳・脊髄)の白質に炎症性の脱髄性病変が多発します。
5.入浴や運動によって体温症状が上昇すると視力障害や麻痺症状が一過性に悪化する徴候をUhthoff(ウートフ)徴候といいます。多発硬化症ではウートフ徴候がみられます。
第51回 午後24
多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.男性に多い。
2.発症は50代に多い。
3.脱髄病変がみられる。
4.視力低下が出現する頻度が高い。
5.運動負荷に制限を設ける必要はない。
+ 解説
解答:3・4
1・2.男女比は1:2-3です。15-50歳の女性(ピークは20歳代後半)といわれています。
3.中枢神経系(脳・脊髄)の白質に炎症性の脱髄性病変が多発します。
4.球後視神経炎(眼球より中枢側の視神経に炎症が起こる)により視力低下・視野欠損がみられます。
5.疲労や体温症状によって症状が悪化するため運動制限を設定する必要があります。
第53回 午前35
多発性硬化症に対する作業療法で正しいのはどれか。
1.MS fatigueに対して、Borg指数15に運動強度を設定する。
2.Uhthoff徴候に対して、室温を25℃以下に設定して運動を行う。
3.筋力低下に対して、漸増抵抗運動を行う。
4.視力障害を伴う協調性運動障害に対して、Frenkel体操を行う。
5.有痛性強直性けいれんに対して、他動的関節可動域運動を行う。
+ 解説
解答:2
解説
1.Borg指数15は運動負荷が強いため積雪ではありません。
2.体温上昇により症状が悪化する(Uhthoff徴候)ため室温を適切に保つ必要があります。
3.負荷の強い運動は過用性筋力低下により症状を悪化させる可能性があるため避ける必要があります。
4.Frenkel体操は目標に指を正確に当てることを繰り返して失調症の改善を図ります。MSは視力障害を伴うため有効性が低いと考えられます。
5.他動的関節可動域訓練によって有痛性強直けいれんを誘発します。
第54回 午後9
38歳の女性。32歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。2週間前に痙縮を伴う上肢の麻痺にて入院。大量ステロイドによるパルス療法を行った。この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。
1.TENS
2.超音波療法
3.赤外線療法
4.ホットパック
5.パラフィン療法
+ 解説
解答:1
TENS(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)は経皮的に電気刺激を加えることで疼痛緩和に用いられます。また、痙縮の改善効果も認められます。
超音波療法・赤外線療法・ホットパック・パラフィン療法は温熱療法のため、体温上昇により症状が悪化する可能性があります。
第55回 午後7
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。MMTは上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1.ビーズで指輪を作る。
2.木工作業で本棚を作る。
3.卓上編み機でマフラーを編む。
4.小さな刻印で革に模様をつける。
5.ネット手芸でティッシュボックスを作る。
+ 解説
解答:3
解説
1・5.視力障害があるため巧緻性を必要とする作業は適切ではありません。
2・4.上肢への負荷が強く、視力障害により危険性が高いため適切ではありません。
第56回 午後10
39歳の女性。多発性硬化症。発症から4年が経過。寛解と再燃を繰り返している。MMTは両側の上肢・下肢共に4。軽度の両視神経炎を伴い、疲労の訴えが多い。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1.陶芸で菊練りを行う。
2.木工作業で椅子を作る。
3.ビーズ細工でピアスを作る。
4.卓上編み機でマフラーを編む。
5.細かいタイルモザイクのコースターを作る。
+ 解説
解答:4
解説
1・2.体全体への運動負荷が強い作業のため不適切ではありません。
3・5.視力障害があるため巧緻性を必要とする作業は適切ではありません。
第57回 午後34
多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.男性に多い。
2.脱髄病変がみられる。
3.発症は70代以上に多い。
4.神経症状の進行は稀である。
5.視力低下が出現する頻度が高い。
+ 解説
解答:2・5
1・3.男女比は1:2-3です。15-50歳の女性(ピークは20歳代後半)といわれています。
4.MSは再発と寛解を繰り返しながら全体として徐々に増悪します。
第58回 午後2
43歳の女性。多発性硬化症。発症から3年経過。寛解と再燃とを繰り返している。四肢筋力は軽度低下し、表在感覚が軽度鈍麻している。疲労の訴えが多く、入院となった。最近徐々に視覚障害を生じてきた。この患者に対する作業療法で最も適切なのはどれか。

+ 解説
解答:5
1.視力障害と感覚障害があるため裁縫は針で怪我をする可能性があるため適切ではありません。
2・3.疲労の訴えが多い患者にとって体への負担が大きい作業は適切ではありません。
4.視力障害があるため木槌の使用で怪我をする可能性があるため適切ではありません。