ギラン・バレー症候群(PT・OT国家試験)
ギラン・バレー症候群に関する第50回以降の国家試験問題を詳しく解説しています!類似している問題が多くあるので解説をじっくり読みながら理解してください。
PT・OT共通
第50回 午前93
Guillain-Barre症候群について正しいのはどれか。
1.顔面神経麻痺から発症する。
2.髄液中の蛋白が上昇する。
3.自律神経障害はみられない。
4.呼吸筋麻痺はみられない。
5.再発と寛解を繰り返す。
第51回 午後89
Guillain-Barre症候群について正しいのはどれか。
1.高頻度に再発する。
2.痙性麻痺が中核症状である。
3.運動麻痺は一側性に進行する。
4.髄液に異常所見が認められる。
5.ステロイドパルス療法が有効である。
第53回 午前90
Guillain-Barre症候群について正しいのはどれか。
1.50%以上で再発する。
2.脱髄型と軸索型がある。
3.アルコール多飲が原因である。
4.ビタミンB1欠乏によって起こる。
5.歩行可能まで回復する症例は25%以下である。
第59回 午後85
Guillain-Barre症候群の診断で有用なのはどれか。
1.CT
2.MRI
3.髄液検査
4.脳波検査
5.血液培養検査
PT専門
第50回 午後8
25歳の男性。Guillain-Barre症候群。発症後3日で運動麻痺は進行しており、呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理中である。理学療法で適切でないのはどれか。
1.体位変換
2.筋力増強運動
3.胸郭ストレッチ
4.関節可動域運動
5.30°程度のリクライニング位
第51回 午前31
Guillain-Barre症候群でみられにくいのはどれか。
1.誤嚥
2.運動時痛
3.温痛覚脱失
4.起立性低血圧
5.拘束性喚起障害
第52回 午後19
42歳の男性。Guillain-Barre症候群。発症後3日目。四肢体幹の重度な麻痺と呼吸筋麻痺のため人工呼吸管理の状態である。この時期に行う理学療法で適切なのはどれか。
1.体位排痰
2.痙縮の抑制
3.体幹の漸増抵抗運動
4.上下肢の高負荷の筋力増強運動
5.上下肢の過伸張を伴うストレッチ
第53回 午前9
42歳の女性。感冒症状が出現して1週間後から対称性に両手のしびれを自覚し、脱力が急速に近位部へと広がったため神経内科を受診した。上肢遠位部優位の脱力と四肢の深部腱反射消失を認め、Guillain-Barre症候群と診断された。所見として正しいのはどれか。
1.髄液検査で細胞数が増加する。
2.頸髄MRI検査で髄内信号異常を認める。
3.末梢神経伝導検査で伝導速度が低下する。
4.末梢神経の連続刺激でM波の振幅が漸増する。
5.末梢神経刺激で誘発されるF波の潜時が短縮する。
第54回 午前2
32歳の女性。下痢症状の後に四肢の脱力が出現したGuillain-Barre症候群で、2週間後のGuillain-Barre症候群が5(人工呼吸管理)であった。グラフは表の3項目の合計点と歩行の関係を示す。この患者が発症後に歩行不可能な確率はどれか。
1.20%
2.30%
3.60%
4.80%
5.90%
第55回 午前18
32歳の女性。2週前に上気道炎を発症し、5日前から四肢末端の異常感覚を自覚した。その後、徐々に四肢の脱力を認めた。Guillain-Barre症候群と診断され、直ちにγ-グロブリン大量静注療法を開始した。入院時の四肢筋力はMMTで段階4であったが、入院後には顔面神経麻痺と構音・嚥下障害が出現し、翌日には痰が多く呼吸困難が出現したため、気管挿管され人工呼吸器管理となった。四肢筋力は近位筋で段階1、その他は段階2-3に低下している。現時点で優先される治療はどれか。
1.機能的電気刺激
2.筋力増強運動
3.座位訓練
4.自発呼吸練習
5.排痰練習
第56回 午後35
Guillain-Barre症候群について正しいのはどれか。
1.四肢の深部腱反射が亢進する。
2.欧米に比べて日本では軸索型が多い。
3.脳神経症状がみられるのは5%以下である。
4.先行感染から24時間以内に神経症状が出現する。
5.約90%の症例で神経症状のピークは1週間以内である。
第57回 午後6・7
28歳の男性。2週前にGuillain-Barre症候群と診断された。γグロブリン大量静注療法を実施され、症状の進行は停止した。本日実施した右上肢の運動神経伝導検査の結果を示す。
午後6
最も障害されていると考えられる運動はどれか。
1.母指対立
2.示指MP関節伸展
3.中指DIP関節伸展
4.環指PIP関節屈曲
5.小指外転
午後7
現時点で最も導入を検討すべき装具はどれか。
1.長対立装具
2.ナックルベンダー
3.IP関節伸展補助装具
4.母指Z変形用スプリント
5.コックアップ・スプリント
第58回 午前45
Guillain-Barre症候群の治療法で正しいのはどれか。
1.ステロイド投与が第一選択である。
2.筋力低下の進行には関節可動域練習より筋力増強運動を優先する。
3.人工呼吸管理の場合、早期から胸郭ストレッチを行う。
4.筋力低下の進行が停止すれば、早期から漸増抵抗運動を開始する。
5.約半数が発症6ヶ月後の歩行練習に長下肢装具を必要とする。
OT専門
第50回 午後12
40歳の男性。Guillain-Barre症候群。発症後2週間経過。麻痺の進行が止まり、機能回復を目的にベッドサイドでの作業療法が開始された。筋力はMMTで上肢近位筋3、上肢遠位筋2、下肢近位筋2、下肢遠位筋1である。この時期の作業療法で適切でないのはどれか。
1.体位変換
2.良肢位の保持
3.関節可動域訓練
4.座位耐久性の改善
5.漸増抵抗運動による筋力強化
第52回 午後31
次の症候のうちGuillain-Barre症候群で最も頻度が高いのはどれか。
1.聴神経麻痺
2.視力低下
3.眼瞼下垂
4.顔面神経麻痺
5.Babinski徴候陽性
解答:4
解説
Guillain-Barre症候群に伴う脳神経麻痺で生じる障害は、顔面神経麻痺、球麻痺(構音障害・嚥下障害)、外眼筋麻痺です。
第55回 午後35
Guillain-Barre症候群で正しいのはどれか。
1.自律神経障害を伴わない。
2.症状は上肢近位筋から始まる。
3.上肢の症状は左右非対称性である。
4.先行感染数時間後に出現する。
5.我が国では脱髄型の方が軸索障害型より多い。
第58回 午後4
45歳の男性。2週間前に下痢症状があった。2日前から両下肢に力が入りにくくなり、病院を受診し、Guillain-Barre症候群と診断された。意識は晴明で、言語機能、認知機能に問題はなかった。四肢の腱反射は低下し、感覚障害を認めて入院となった。入院後、上下肢筋力が低下し、座位や食事動作が困難となり水を飲む時にむせるようになった。入院後5日目の時点で行われないのはどれか。
1.嚥下訓練
2.呼吸訓練
3.筋力増強訓練
4.関節可動域訓練
5.座位のポジショニング