アルゼンチンの整形外科医Zancolliによって提唱されました。頸髄損傷者(頸髄損傷完全麻痺)の手の機能再建を目的として作成されて、損傷高位を評価する尺度です。
理学療法士・作業療法士国家試験では出題頻度の高い評価なので、各機能髄節レベルで可能な運動機能をしっかりと覚えましょう。
C5(最下位機能髄節)
残存運動機能
上腕二頭筋・上腕筋の機能があり肘関節屈曲が可能です。
サブグループ
腕橈骨筋の機能の有無により分類します。腕橈骨筋機能がない場合はC5A、機能がある場合はC5Bに分類します。
腕橈骨筋は前腕中間位で肘関節を屈曲する時に効率よく働きます。
ココがポイント
腕橈骨筋は前腕中間位で肘を屈曲した際に抵抗をかけると前腕の外側で橈骨に沿って浮き上がります。
C6(最下位機能髄節)
残存運動機能
長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋の機能があり手関節伸展(背屈)が可能です。
サブグループ
手関節背屈機能の強弱により分類します。
手関節背屈が弱い場合はC6A、強い場合はC6Bに分類します。
C6Bは円回内筋・橈側手根屈筋・上腕三頭筋の機能有無により詳細に分類します。3つの筋がすべて機能していない場合はC6BⅠです。
円回内筋のみ機能している場合はC6BⅡです。
肘関節伸展(3筋が機能)までできればしているC6BⅢに分類します。
C7(最下位機能髄節)
残存運動機能
総指伸筋・小指伸筋・尺側手根伸筋の機能があり手指伸展が可能です。
サブグループ
手指伸展機能により分類します。尺側指の完全伸展が可能な場合はC7A、全指の完全伸展が可能な(母指は弱い)場合はC7Bに分類します。
C8(最下位機能髄節)
残存運動機能
固有示指伸筋・長母指伸筋・深指屈筋・尺側手根屈筋の機能があり手指屈曲が可能です。
サブグループ
手指屈曲機能により分類します。尺側指の完全屈曲が可能な場合はC8A、全指の完全屈曲が可能な場合はC8Bに分類します。C8Bは浅指屈筋の機能有無によりさらに分類します。
浅指屈筋が機能しない場合はC8BⅠ、機能する場合はC8BⅡに分類します。
ココに注意
①頸髄損傷者の手の機能再建を目的に作成されているため肩や肩甲帯の筋群が含まれない。
②ISCNSCIのkey muscleとの整合性がない部分がある。
動画資料
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参考文献