データ(変数)
対象者の特性を基準に照らし合わせて数値化することを測定(measurement)といいます.血圧測定や形態測定,関節可動域測定や筋力測定などPT・OT・STがリハビリテーションを進める過程で必要不可欠です.これら数値化された特性をデータ(変数)といいます.
尺度
データを分類する基準を尺度といいます.尺度は名義尺度・順位尺度・間隔尺度・比例尺度の4つに分類されます.
名義尺度
名義尺度のデータは区別する尺度です.例えばこのようなアンケートに経験はありませんか?
アンケートのために,血液型に数字(数値)を割り当てているのみです.名義尺度が持っている情報は同一性のみです.そのため,大小や優劣はつけらません.
ココがポイント
このアンケートではA型は1でB型は2ですが,数字の大きいB型が優れているとはいえませんよね.
順位尺度
順位尺度は一定の基準のもとに順位を決めて区別する尺度です.100m走の順位を例にしてみましょう.
名義尺度と異なり,1位は2位より,2位は3位より優れています.
しかし,1位と2位のタイム差は0.27秒,2位と3位のタイム差は0.85秒です.1,2,3位と1ずつ数字が増えていますが,間隔(タイム差)一定ではありません.
順位尺度が持っている情報は同一性と順位はです.
ココがポイント
MMTで0筋収縮なし,1は筋収縮あり,2は除重力で関節運動ができる.数字が大きくなるにつれて機能は上がっていますが,0と1,1と2の違いは作成者が段階づけしただけです!
間隔尺度
間隔尺度は順位性に加えて数値は一定の間隔を持って区別される尺度です.間隔尺度の代表的なものは気温です.
北海道と東京の気温差は2.7℃です.これは東京の28.2℃から北海道の25.5℃を引いて出た値です.このように間隔尺度は数値間の距離が一定なので足し算や引き算(加減)が可能です.
比例尺度
比例尺度は同一性,順位性,加法性に加え比例性の情報を持ちます.間隔尺度との大きな違いは原点0(zero)を1つに定めることができる尺度です.
原点「0」に意味があるため+,−,×,÷の四則演算(加減乗除)が可能です.
間隔尺度と比例尺度の相違
間隔尺度と比例尺度は見分けづらいと思います.2つの尺度を見分けるために原点0(zero)に注目します!
間隔尺度の0は無(なし)を意味しません.例えば間隔尺度の温度において0℃という温度(熱量)は存在します(水が氷になる温度).このように0が無(なし)を意味しません.
しかし,比例尺度の0は無(なし)を意味します.例えば身長が0cm,体重が0kgの物体は存在しません.このように0が無(なし)を意味します.
・0という値に何かある状態→間隔尺度
・0という値が何もない状態→比例尺度
これをイメージすると間隔尺度と比例尺度を見分けやすくなります.
まとめ
・特性を基準に沿って数値化することを測定という.
・数値化されたデータ(特性)を変数という.
・尺度は変数を分類する基準で4つ(名義・順位・間隔・比例)に分類される.
・情報量は名義尺度<順位尺度<間隔尺度<比例尺度の順に多くなる.
・間隔尺度と比例尺度の区別には原点0を意識する.