大腿骨近位部骨折の発生数
1987年から2012年における大腿骨近位部骨折の発生数の調査結果を示します。(Hip fracture incidence in Japan/ estimates of new patients in 2012 and 25-year trends. Osteoporos Int (2016) 27:1777–1784をもとに作成)
5年ごとの発生数を比較すると増加率は2桁の伸びを示し、発生数は増加傾向にあると報告されています。入院患者の将来推計では、2005年を1とした2055年における増加率で骨折は約2.0倍と試算されています(厚生労働省:医療と介護の連携に関する意見書)。
また、介護が必要になる原因のうち12.5%は「骨折・転倒」となっています(内閣府:高齢社会白書)。これらのデータで示されている骨折のうち大腿骨近位部骨折は多くの割合を占めていると考えられています。
大腿骨頸部骨折の危険因子
FRAX®︎とは…?
WHO(世界保健機関)はさまざま研究・報告から骨折の危険因子によって骨折確率を算出するFRAX®︎(Fracture Risk Assessment Tool)を作成しました。
FRAX®︎は年齢・性別・体重・身長・骨折歴・両親の大腿骨近位部骨折歴の有無・現在の喫煙の有無・ステロイド薬の使用の有無・関節リウマチの有無・続発性骨粗鬆症の有無・アルコール摂取の有無・骨密度の12項目からなります。(骨密度は未入力でも可)
ココがポイント
女性・高齢・低体重は危険因子です。また、その他の項目で「はい」が選択されると骨折リスクは上昇します。
FRAX®︎の使用方法
FRAX®︎はパソコンやスマホで簡単に使用できます。生年月日・性別・身長・体重を入力し、その他の項目は「はい」または「いいえ」を選択します。
例)80歳(150cm・45kg)で骨折歴のある場合は…
全ての項目を入力して計算をクリックすると骨折リスク(%)が表示されます。
上段は10年以内の骨粗鬆症性骨折が発生するリスク、下段は10年以内に大腿骨近位部骨折が発生するリスクを表します。
ココがポイント
骨折発生率が15%以上の場合は医療機関を受診することが推奨されています。
こちらFRAX®︎(Fracture Risk Assessment Tool)をクリックするとFRAX®︎のページへ移動します。