骨の構造(PT・OT国家試験)
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骨の構造に関する第40回以降の国家試験問題を詳しく解説しています!類似している問題が多くあるので解説をじっくり読みながら理解してください。
第43回 共通2
正しいのはどれか。2つ選べ。
1.骨膜は感覚神経に富む。
2.骨膜は骨の長軸方向の成長に関わる。
3.関節面は骨端軟骨で覆われている。
4.長骨の骨幹は海綿質で形成される。
5.発育期の骨髄は造血機能を営んでいる。
+ 解説
正解:1・5
1.骨膜には神経・血管・リンパが存在する。関節面を覆う関節軟骨には神経・血管は存在しない。
2.骨膜は骨の横軸方向の成長に関与する。長軸方向への成長は骨端と骨幹端の間にある骨端軟骨が関与する。
3.関節面は関節軟骨で覆われている。
4.長骨の骨幹には緻密質が多い。
第44回 共通2
長管骨で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.骨端成長板は長軸よりも短軸方向に成長する。
2.骨端の関節面は線維軟骨で覆われている。
3.骨幹では海綿骨の占める割合が大きい。
4.骨髄は造血作用のある細網組織である。
5.骨膜には神経が存在する。
+ 解説
正解:4・5
1.骨端成長板は長軸方向の成長に関与する。成長が終了した骨端軟骨は骨化して骨端線になる。短軸方向の成長には骨膜が関与する。
2.骨端の関節面は硝子軟骨で覆われている。例外的に胸鎖関節、肩鎖関節、顎関節の関節軟骨は線維軟骨である。
3.骨幹では緻密骨の占める割合が多く、骨端部では少ない。骨端部では海綿骨の占める割合が高い。
4.骨髄は赤色骨髄と黄色骨髄に分類される。赤色骨髄に造血機能はあるが、黄色骨髄は脂肪を多く含み造血機能はない。
5.骨膜には神経・血管・リンパが存在するが、関節軟骨には神経・血管は存在しない。
第45回 午前51
骨の種類で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.腸骨は扁平骨である。
2.肩甲骨は短骨である。
3.膝蓋骨は短骨である。
4.手根骨は種子骨である。
5.中足骨は長管骨である。
+ 解説
正解:1・5
2.肩甲骨は扁平骨である。
3.膝蓋骨は人体最大の種子骨である。
4.手根骨は短骨である。
長管骨 |
上腕骨・大腿骨・橈骨・尺骨・脛骨・腓骨など |
短骨 |
手根骨・足根骨など |
扁平骨 |
肩甲骨・胸骨・肋骨・腸骨など |
複雑骨 |
椎骨・下顎骨など |
含気骨 |
篩骨・蝶形骨・上顎骨など |
第47回 午前52
骨折部の血流が障害されやすいのはどれか。2つ選べ。
1.脛骨粗面
2.大腿骨頭
3.坐骨結節
4.手の舟状骨
5.上腕骨大結節
+ 解説
正解:2・4
骨栄養血管の血行障害によって骨壊死が生じる場合を無腐性壊死(阻血性骨壊死)という。無腐性壊死を起こしやすい骨折は大腿骨頸部内側部骨折、手の舟状骨骨折、距骨骨折、上腕骨解剖頸骨折である。これらの部位の骨折は栄養血管の損傷が発生しやすい。
第48回 午前51
骨の構造で正しいのはどれか。
1.皮質骨には骨梁がある。
2.踵骨は海綿骨の部分が少ない。
3.発育時の骨髄は赤色骨髄である。
4.関節面は骨端軟骨で覆われている。
5.骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む。
+ 解説
正解:3
1.海綿骨には骨梁がある。皮質骨(緻密骨)にはハバース管を中心とした骨層板が同心円状に重なり骨単位(オステオン)を形成する。
2.踵骨は海綿骨が多く、外力を分散できる構造になっている。
3.骨髄は造血機能のある赤色骨髄とそれらが脂肪化して造血機能を持たない黄色骨髄に分類できる。幼児期の骨髄はすべて赤色骨髄で成長に伴い四肢の末端から徐々に脂肪組織化する。成人の四肢の長管骨はほとんど黄色骨髄に置き換わる。
4.関節面は関節軟骨で覆われている。
5.プロテオグリカンは糖と蛋白質からなる成分の総称で、軟骨の成分である。
49回 午前51
骨について正しいのはどれか。
1.骨芽細胞は骨吸収に関与する。
2.緻密骨と海綿骨に分けられる。
3.幼児期の骨髄は黄色骨髄である。
4.関節面は滑膜に覆われる。
5.短骨には髄腔がある。
+ 解説
正解:2
1.骨芽細胞は骨新生(骨形成)に関与する。
3.幼児期の骨髄はすべて造血機能のある赤色骨髄である。
4.関節面は関節軟骨に覆われている。
5.長管骨に髄腔は存在するが短骨には髄腔はない。
第50回 午後51
骨について正しいのはどれか。
1.皮質骨は骨梁から形成される。
2.皮質骨はコラーゲンを含まない。
3.海綿骨にはハバース管が存在する。
4.海綿骨の表面は骨膜で覆われている。
5.骨端と骨幹端の間に成長軟骨板がある。
+ 解説
正解:5
1.海綿骨には骨梁がある。皮質骨(緻密骨)にはハバース管を中心とした骨層板が同心円状に重なり骨単位(オステオン)を形成する。
2.骨組織は骨細胞と骨基質(コラーゲン・骨塩基など)で構成される。
3.皮質骨(緻密骨)にハバース管が存在する。
4.海綿骨の表面は皮質骨で、皮質骨の外層が骨膜である。
5.成長期の骨端と骨幹端の間には成長軟骨板があり骨の長軸方向への成長に関与する。成長期が終わると成長軟骨板は骨化して骨端線になる。
第51回 午前61
破骨細胞について正しいのはどれか。
1.骨小腔に存在する。
2.骨芽細胞を破壊する。
3.不動で活性が低下する。
4.巨大な多核細胞である。
5.プロテオグリカンを合成する。
+ 解説
正解:4
成人の骨は破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨新生(形成)の繰り返しによって古い部分が絶えず新しい骨に変わっている(リモデリング:再構築)。破骨細胞は造血幹細胞から分化した細胞が融合した多核巨細胞で、骨芽細胞は単核である。
1.破骨細胞と骨芽細胞はハバース管周囲や海綿質の内表面(骨内膜)に存在する。骨小腔の中には骨細胞が存在する。
2.破骨細胞は骨基質の破壊と吸収を行う。
3.破骨細胞は不動で活性し、骨芽細胞は不動により不活性となる。
5.プロテオグリカンは骨芽細胞から分泌される。
第53回 午前51
骨について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.長骨の骨幹には髄腔がある。
2.骨には緻密骨と海綿骨がある。
3.骨芽細胞は骨吸収に関与している。
4.骨の関節面は滑膜で覆われている。
5.骨膜は骨の長軸方向の成長に関わる。
+ 解説
正解:1・2
3.骨芽細胞は骨新生(骨形成)に関与する。骨吸収に関与するのは破骨細胞である。
4.骨の関節面は関節軟骨で覆われている。
5.骨膜は骨の横軸方向の成長に関与する。長軸方向への成長は骨端軟骨が関与する。
第56回 午後53
骨について正しいのはどれか。
1.皮質骨は骨梁から形成される。
2.幼児期の骨髄は黄色骨髄である。
3.海綿骨の表面は骨膜で覆われている。
4.皮質骨にはHavers(ハバース)管が存在する。
5.骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む。
+ 解説
正解:4
1.骨梁が存在するのは海綿骨である。
2.幼児期の骨髄は赤色骨髄である。成長に伴い脂肪に富む黄色骨髄に置き換わる。
3.海綿骨の表面は皮質骨で、皮質骨の外層が骨膜である。
5.プロテオグリカンは糖と蛋白質からなる成分の総称で、軟骨の成分である。
第58回 午後51
1.短骨には髄腔がある。
2.黄色骨髄は造血機能を持つ。
3.海綿骨にはHavers管がある。
4.骨芽細胞は骨吸収に関与する。
5.皮質骨表面は骨膜で覆われる。
+ 解説
正解:5
1.髄腔は長管骨の骨幹部に存在する。
2.黄色骨髄は脂肪に富み造血機能はない。造血機能を有するのは赤色骨髄である。
3.Havers(ハバース)管は皮質骨(緻密骨)に存在する。
4.骨芽細胞は骨新生(骨形成)に関与する。骨吸収に関与するのは破骨細胞である。
参考文献
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