PT・OT共通問題
第41回 問題15
触診部位で誤っているのはどれか。
1.浅側頭動脈 ―――― 外耳孔の前方
2.上腕動脈 ――――― 上腕前面橈側部
3.橈骨動脈 ――――― 前腕掌側外側遠位部
4.大腿動脈 ――――― 大体三角内
5.後脛骨動脈 ―――― 足関節内果後方
+ 解説
解答:2
解説
上腕動脈は上腕二頭筋の内側縁で触知できます。
第42回 問題15
上大静脈に直接入るのはどれか。
1.椎骨静脈
2.内胸静脈
3.外頸静脈
4.奇静脈
5.内頸静脈
第43回 問題14
正しいのはどれか。2つ選べ。
1.腎静脈には動脈血が流れる。
2.総腸骨静脈は下大静脈に流入する。
3.冠状静脈洞は左心房に注ぐ。
4.奇静脈は門脈に注ぐ。
5.脳底静脈叢は脊柱管の静脈叢と連絡をもつ。
第43回 問題19
体表から拍動を触知できないのはどれか。
1.総頸動脈
2.橈骨動脈
3.大腿動脈
4.膝窩動脈
5.総腸骨動脈
+ 解説
解答:5
1.総頸動脈は頸動脈三角(胸鎖乳突筋前縁・肩甲舌骨筋上腹・顎二頭筋でつくられるくぼみ)で触知できます。
2.橈骨動脈は前腕掌側面の橈側(外側)遠位部で触知できます。
3.大腿動脈はスカルパ三角内(腸腰筋の内側)で触知できます。
4.膝窩動脈は膝窩部で触知できます。
5.総腸骨動脈は第4腰椎レベルで腹大動脈から分枝する動脈で、深部を走行するため体表から触知することはできません。
第45 午前57
表在静脈はどれか。
1.総腸骨静脈
2.外腸骨静脈
3.大腿静脈
4.膝窩静脈
5.大伏在静脈
+ 解説
静脈は皮静脈と深静脈に分類されます。皮静脈は皮下組織を動脈と伴行せずに走行します。
頸部 |
外頸静脈 |
上肢 |
手背静脈網・橈側皮静脈・尺側皮静脈・前腕正中皮静脈・肘正中皮静脈 |
胸部・腹部 |
胸腹壁静脈・浅腹壁静脈・浅腸骨回旋静脈 |
下肢 |
足背静脈網・大伏在静脈・小伏在静脈 |
深静脈は深層を同名の動脈とともに走行します。1本の動脈に対して2本以上の静脈が伴行するものもあります。皮静脈と深静脈は合流します。
第45 午後57
正しいのはどれか。2つ選べ。
1.リンパ管には弁機構が存在しない。
2.毛細リンパ管は単層の内皮細胞からなる。
3.胸管は右側の静脈角に合流する。
4.右腰リンパ本幹は右リンパ本幹に入る。
5.脾臓はリンパ性器官の1つである。
+ 解説
解答:2・5
解説
毛細血管から滲出した間質液の90%は毛細血管(細静脈側)に再吸収されます。残りの10%はリンパ管(毛細リンパ管)に吸収され、最終的に左右の静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部)で静脈に注ぎます。
1.リンパ管は静脈壁と類似した構造で弁が存在します。
2.毛細リンパ管は単層内皮細胞と基底膜で作られます。
3・4.胸管は両下肢・骨盤と骨盤臓器・腹壁・腹部内臓(肝臓以外)からのリンパを集める全長35-40cmのリンパ管です。胸管は第2腰椎の前面で腸リンパ本幹と左右の腰リンパ本幹が合流してできた乳び槽から起こり、脊椎前面を上行して左静脈角に合流します。
5.脾臓・胸腺・扁桃・消化管の粘膜内にあるパイエル板などはリンパ性器官です。
第46 午前57
リンパの流れについて正しいのはどれか。
1.腸リンパ本幹は右リンパ本幹に注ぐ。
2.乳び槽は頭部のリンパを集める。
3.胸管は左鎖骨下静脈に注ぐ。
4.右上肢のリンパは胸管に注ぐ。
5.右下肢のリンパは右リンパ本幹に注ぐ。
+ 解説
解答:3
解説
1.腸リンパ本幹は胸管に注ぎます。
2.乳び槽は腸リンパ本幹と左右の腰リンパ本幹の合流部です。
3.胸管は左静脈角(内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部)に注ぎます。
4.右リンパ本幹は右上肢・右頭頸部・胸壁の右半・気管・肺・心臓の大部分・肝臓の一部からのリンパを集めます。短い(1-3cm)のリンパ本幹で右静脈角に注ぎます。
5.両下肢・骨盤と骨盤臓器・腹壁・腹部内臓(肝臓以外)からのリンパは胸管に注ぎます。
第46 午後56
門脈に流入しないのはどれか。
1.脾静脈
2.左胃静脈
3.左腎静脈
4.空回腸静脈
5.上腸間膜静脈
+ 解説
解答:3
解説
門脈は胃・小腸・大腸・膵臓・脾臓・胆嚢などから静脈血を集めて肝臓へ運ぶ静脈です。灌流域は腹腔動脈・上腸間膜動脈・下腸間膜動脈の分布区域に相当します。門脈の主な根静脈である上腸間膜静脈と脾静脈(下腸間膜静脈は脾静脈に注ぎます)が膵臓の後方で合流して門脈を形成します。
3.腎静脈は下大静脈に注ぎます。
第48 午前58
リンパの流れについて誤っているのはどれか。
1.乳び槽は腸リンパ本幹と腰リンパ本幹が合流してできる。
2.右リンパ本幹のリンパは右静脈角から静脈に流入する。
3.右上肢からのリンパは右頭部からのリンパと合流する。
4.右下肢からのリンパは右リンパ本幹に流入する。
5.胸管のリンパは左静脈角から静脈に流入する。
+ 解説
解答:4
解説
4.両下肢・骨盤と骨盤臓器・腹壁・腹部内臓(肝臓以外)からのリンパは胸管に注ぎます。
第49 午前58
正面から見た大動脈の模式図を示す。番号と血管名の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.① ――― 右総頸動脈
2.② ――― 右鎖骨下動脈
3.③ ――― 下行大動脈
4.④ ――― 胸大動脈
5.⑤ ――― 腕頭動脈
+ 解説
解答:1・2
解説
3.③は腕橈動脈です。
4.④は大動脈弓です。
5.⑤は上行大動脈です。
第50 午前60
動脈の触診部位で誤っているのはどれか。

+ 解説
解答:5
解説
5.足背動脈は足背(長母趾伸筋の外側)で触知できます。
第50 午後59
大動脈から頭頸部に至る動脈の模式図を示す。動脈の位置と名称の組合せで正しいのはどれか。

1.① ――― 後下小脳動脈
2.② ――― 椎骨動脈
3.③ ――― 総頸動脈
4.④ ――― 腕頭動脈
5.⑤ ――― 鎖骨下動脈
+ 解説
解答:2
解説
1.①は右鎖骨下動脈です。
3.③は腕頭動脈です。
4.④は左鎖骨下動脈です。
5.⑤は左総頸動脈です。
第51 午前57
上大静脈と下大静脈とを結ぶ静脈はどれか。
1.奇静脈
2.腎静脈
3.脾静脈
4.鎖骨下静脈
5.上腸管膜静脈
+ 解説
解答:1
解説
奇静脈は右上行腰静脈から起始して右肋間静脈を縦に連結し、第4胸椎レベルで上大静脈に連絡します。脊柱の左側を走行する半奇静脈と副奇静脈は上大静脈と下大静脈の側副路としても働きます。
第51 午後57
リンパについて正しいのはどれか。
1.乳び槽は横隔膜上部にある。
2.リンパ管には弁機構はない。
3.胸管は右の静脈角に合流する。
4.リンパ節は毛細リンパ管にある。
5.左上肢のリンパは左鎖骨下リンパ本幹に流れ込む。
+ 解説
解答:5
解説
1.腸リンパ本幹と左右の腰リンパ本幹が合流して第2腰椎の前面で乳び槽を形成します。
2.リンパ管は静脈壁と類似した構造で弁が存在します。
3.胸管は左静脈角と合流します。
4.毛細リンパ管は毛細血管から滲出した組織液が入る場所です。リンパ節は細胞組織からなるソラマメ型の器官で、リンパ管の途中に存在します。
5.左頭頸部のリンパを集める左頸リンパと、左上肢のリンパを集める左鎖骨下リンパ本幹は胸管に合流します。
第53 午前57
リンパ系について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.脾臓はリンパ液を濾過する。
2.胸管は右鎖骨下静脈に流入する。
3.腸管由来のリンパ液を乳糜という。
4.リンパ管には弁機構が存在しない。
5.右下肢のリンパ液は胸管に流入する。
+ 解説
解答:3・5
解説
1.脾臓の実質である脾髄は赤脾髄と白脾髄に分類されます。白脾髄はリンパ性組織でリンパ球を産生するリンパ小節で形成されています。
2.胸管は静脈角(左内頸静脈と左鎖骨下動脈の結合部)に流入します。
3.腸リンパは脂肪を含み乳状に混濁しているため乳糜といいます。
4.リンパ管は静脈壁と類似した構造で弁が存在します。
5.胸管は両下肢・骨盤と骨盤臓器・腹壁・腹部内臓(肝臓以外)からのリンパを集める全長35-40cmのリンパ管です。
第53 午後60
動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。
1.浅側頭動脈 ――― 外耳孔の後方
2.総頸動脈 ―――― 胸鎖乳突筋の外縁
3.上腕動脈 ―――― 上腕遠位部の上腕二頭筋腱の外側
4.大腿動脈 ―――― 鼠径部の腸腰筋の外側
5.足背動脈 ―――― 足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間
+ 解説
解答:5
解説
1.浅側頭動脈は外耳孔の前面で触知できます。
2.総頸動脈は頸動脈三角(胸鎖乳突筋前縁・肩甲舌骨筋上腹・顎二頭筋でつくられるくぼみ)で触知できます。
3.上腕動脈は上腕二頭筋の内側縁で触知できます。
4.大腿動脈はスカルパ三角内(腸腰筋の内側)で触知できます。
第55 午前56
下大静脈に直接入るのはどれか。2つ選べ。
1.肝静脈
2.胃静脈
3.脾静脈
4.空回腸静脈
5.腎静脈
+ 解説
解答:1・5
解説
肝静脈・腎静脈・腰静脈・総腸骨静脈・右精巣静脈・右卵巣静脈は下大静脈に直接注ぎます。左精巣静脈と左卵巣静脈は腎静脈に入ります。
1.肝臓から出る肝静脈は肝臓の後面から下大静脈に注ぎます。
2・3・4.胃・小腸・大腸・膵臓・脾臓などからの静脈血は門脈から肝臓に入ります。
5.腎静脈は下大静脈に注ぎます。
第55 午後55
冠状動脈で正しいのはどれか。
1.大動脈弁の心室側から出る。
2.左右の冠状動脈は吻合しない。
3.左冠状動脈は房室結節に血液を送る。
4.右冠状動脈は前下降枝と回旋枝に分かれる。
5.左冠状動脈は心室中隔前方2/3に血液を送る。
+ 解説
解答:5
解説
1.冠状動脈は上行大動脈の起始部(バルサルバ洞)から分岐します。
2・4.左冠状動脈は前室間枝と回旋枝に、右冠状動脈は後室間枝になって心臓を栄養します。前室間枝と後室間枝は吻合します。
3.洞房結節と房室結節には右冠状動脈には主に右冠状動脈の枝が分布します。
5.心室中隔前2/3は左冠状動脈、後1/3は右冠状動脈によって栄養されます。
第55 午後56
動脈と触知可能な部位との組合せで誤っているのはどれか。
1.上腕動脈 ―――― 上腕二頭筋後内側縁
2.橈骨動脈 ―――― 前腕掌側面の外側遠位部
3.大腿動脈 ―――― Scarpa三角内
4.足背動脈 ―――― 足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間
5.後脛骨動脈 ――― 外果後方
+ 解説
解答:5
解説
5.後脛骨動脈は内果後方で触知できます。
第56 午前57
上大静脈と下大静脈とを結ぶ静脈はどれか。
1.奇静脈
2.鎖骨下静脈
3.上腸管膜静脈
4.腎静脈
5.脾静脈
+ 解説
解答:1
解説
奇静脈は腰静脈と肋間静脈を縦に連結して大静脈へ注ぐ静脈です。上大静脈と下大静脈との側副路としての働きもあります。下大静脈が閉塞した場合に奇静脈系が血液を環流させる側副路になります。
奇静脈系は①奇静脈、②半奇静脈、③副半奇静脈があります。
奇静脈は腰椎の右腹壁を上行して右上行腰静脈から起始して、右肋間静脈を縦に連結します。そして第4胸椎レベルで上大静脈に注ぎます。半奇静脈は左上行腰静脈から始まり、左肋間静脈の下半部を縦に連結して、第8胸椎レベルで奇静脈につながります。副半奇静脈は第4肋間レベルで下行して左肋間静脈の上半部を縦に連結して、奇静脈・半奇静脈とつながります。
第56 午後51
脳底動脈から直接分岐する血管はどれか。2つ選べ。
1.前大脳動脈
2.中大脳動脈
3.後交通動脈
4.上小脳動脈
5.前下小脳動脈
+ 解説
解答:4・5
解説
脳底動脈は前下小脳動脈・橋動脈・上小脳動脈を分枝します。
1・2.前大脳動脈と中大脳動脈は内頸動脈から分岐します。
3.後交通動脈は中大脳動脈と後大脳動脈をつなぐ動脈です。
第56 午後58
動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。
1.総頸動脈 ――― 胸鎖乳突筋の前縁
2.上腕動脈 ――― 上腕二頭筋腱の外側縁
3.橈骨動脈 ――― 前腕掌側面の内側近位部
4.大腿動脈 ――― 鼠径部の腸腰筋の外側
5.足背動脈 ――― 外果の後方
+ 解説
解答:1
解説
2.上腕動脈は上腕二頭筋の内側縁で触知できます。
3.橈骨動脈は前腕掌側面の橈側(外側)遠位部で触知できます。
4.大腿動脈はスカルパ三角内(腸腰筋の内側)で触知できます。
5.足背動脈は足背(長母趾伸筋の外側)で触知できます。
第57 午後56
一側のみにある動脈はどれか。
1.腋窩動脈
2.鎖骨下動脈
3.総頸動脈
4.内頸動脈
5.腕頭動脈
+ 解説
解答:5
解説
腕頭動脈は大動脈弓から分岐する動脈です。1本のみで左総頸動脈と左鎖骨下動脈を分枝します。
第58 午前54
大動脈弓から直接分枝するのはどれか。2つ選べ。
1.腕頭動脈
2.右鎖骨下動脈
3.左鎖骨下動脈
4.右椎骨動脈
5.左椎骨動脈
+ 解説
解答:1・3
解説
大動脈弓の起始部から腕頭動脈・右総頸動脈・右鎖骨下動脈の順に分岐します。
3.左鎖骨下動脈は腕頭動脈から分岐します。
4・5.椎骨動脈は鎖骨下動脈から分岐します。
第59 午前57
左右一対あるのはどれか。2つ選べ。
1.総頸動脈
2.椎骨動脈
3.脳底動脈
4.腕頭動脈
5.前交通動脈
+ 解説
解答:1・2
解説
1・2.総頸動脈と椎骨動脈は左右1本ずつ存在します。
3.脳底動脈は左右の椎骨動脈が合流して脳底動脈となります。
4.腕頭動脈は大脳動脈弓から分岐する動脈です。腕頭動脈から左総頸動脈と左鎖骨下動脈が分岐します。
5.左右の前大脳動脈をつなぐ動脈を前交通動脈といいます。
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