問題1 筋と停止部との組合せで誤っているのはどれか。2つ選べ。
1.棘上筋 ――――― 上腕骨小結節
2.肩甲下筋 ―――― 上腕骨小結節
3.棘下筋 ――――― 上腕骨大結節
4.小円筋 ――――― 上腕骨大結節
5.大円筋 ――――― 上腕骨大結節
+ 解説
解答:1・5
棘上筋は肩甲骨棘上窩から上腕骨大結節に付着します。大円筋は肩甲骨下角から上腕骨小結節稜に付着します。
|
起始 |
停止 |
| 棘上筋 |
棘上窩 |
上腕骨大結節 |
| 棘下筋 |
棘下窩 |
上腕骨大結節 |
| 小円筋 |
肩甲骨外側縁 |
上腕骨大結節・大結節稜 |
| 肩甲下筋 |
肩甲下窩 |
上腕骨小結節 |
| 大円筋 |
肩甲骨下角 |
上腕骨小結節稜 |
問題2 肩甲骨烏口突起に付着しない筋はどれか。2つ選べ。
1.烏口腕筋
2.上腕二頭筋(短頭)
3.大胸筋
4.小胸筋
5.広背筋
+ 解説
解答:3・5
烏口突起に付着する筋は烏口腕筋・上腕二頭筋(短頭)・小胸筋です。
|
起始 |
停止 |
| 烏口腕筋 |
肩甲骨烏口突起 |
上腕骨内側面中央部 |
| 上腕二頭筋 |
長頭:肩甲骨関節上結節
短頭:肩甲骨烏口突起 |
橈骨粗面・前腕筋膜 |
| 小胸筋 |
第3-5肋骨 |
肩甲骨烏口突起 |
大胸筋は鎖骨内側・胸骨前面・第2-7肋軟骨・腹直筋鞘前葉から上腕骨大結節稜に付着します。
広背筋は下部腰椎から仙椎の棘突起・腸骨稜・下部肋骨・肩甲骨下角・胸腰筋膜から上腕骨小結節稜に付着します
問題3 筋と付着部との組合せで誤っているのはどれか。2つ選べ。
1.肩甲挙筋 ―――― 肩甲骨上角
2.小円筋 ――――― 肩甲骨下角
3.上腕三頭筋 ――― 肩甲骨関節上結節
4.大菱形筋 ―――― 肩甲骨内側縁
5.肩甲下筋 ―――― 肩甲下窩
+ 解説
解答:2・3
上腕三頭筋は肩甲骨関節下結節(長頭)と上腕骨後面(内側頭・外側頭)から肘頭に付着します。
問題4 回旋筋腱板(rotator cuff)を形成しない筋はどれか。
1.棘上筋
2.棘下筋
3.小円筋
4.大円筋
5.肩甲下筋
+ 解説
解答:4
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋は、上腕骨大結節および小結節周囲に付着してひとつの腱板を形成します。この腱板を回旋筋腱板といいます。
問題5 筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.僧帽筋 ――――― 副神経
2.前鋸筋 ――――― 長胸神経
3.鎖骨下筋 ―――― 肩甲背神経
4.肩甲挙筋 ―――― 肩甲上神経
5.広背筋 ――――― 肩甲背神経
+ 解説
解答:1・2
鎖骨下筋は鎖骨下筋神経、肩甲挙筋は肩甲背神経・頚神経叢の枝、広背筋は胸背神経に支配されます。
問題6 筋と支配神経の組合せで誤っているのはどれか。2つ選べ。
1.三角筋 ――――― 筋皮神経
2.小円筋 ――――― 肩甲下神経
3.烏口腕筋 ―――― 筋皮神経
4.棘上筋 ――――― 肩甲上神経
5.大菱形筋 ―――― 肩甲背神経
+ 解説
解答:1・2
三角筋と小円筋は腋窩神経に支配されます。
| 肩甲上神経 |
棘上筋・棘下筋 |
| 肩甲下神経 |
肩甲下筋・大胸筋 |
| 腋窩神経 |
三角筋・小円筋 |
| 筋皮神経 |
烏口腕筋・上腕二頭筋・上腕筋 |
問題7 肩甲骨の運動と筋の組合せで誤っているのはどれか。
1.挙上 ―――――― 肩甲挙筋
2.下制 ―――――― 小胸筋
3.外転 ―――――― 菱形筋
4.内転 ―――――― 僧帽筋(中部)
5.上方回旋 ―――― 前鋸筋
+ 解説
解答:3
| 挙上 |
僧帽筋(上部)・肩甲鋸筋・大菱形筋・小菱形筋 |
| 下制 |
僧帽筋(下部)・小胸筋・鎖骨下筋 |
| 内転 |
僧帽筋(中部)・大菱形筋・小菱形筋 |
| 外転 |
前鋸筋・小胸筋 |
| 上方回旋 |
僧帽筋・前鋸筋 |
| 下方回旋 |
肩甲挙筋・小胸筋・大菱形筋・小菱形筋 |
問題8 肩甲骨を胸郭に押し付ける作用のある筋はどれか。
1.広背筋
2.鎖骨下筋
3.前鋸筋
4.僧帽筋
5.肩甲挙筋
+ 解説
解答:3
前鋸筋は起始部がノコギリ刃状の外観を呈する鋸筋です。第1-9肋骨から肩甲骨内側縁の前面に付着して肩甲骨を胸郭に押し付ける働きを持っています。そのため、前鋸筋が麻痺すると肩甲骨内側縁と下角が持ち上がり背中に翼が生えたような翼状肩甲を呈します。
問題9 筋と基本肢位からの肩関節運動の組合せで誤っているのはどれか。2つ選べ。
1.棘上筋 ――――― 内転
2.棘下筋 ――――― 外旋
3.肩甲下筋 ―――― 内旋
4.広背筋 ――――― 伸展
5.烏口腕筋 ―――― 水平伸展
+ 解説
解答:1・5
| 屈曲 |
三角筋(前部)・大胸筋(鎖骨部)・烏口腕筋・上腕二頭筋 |
| 伸展 |
三角筋(後部)・広背筋・大円筋・上腕三頭筋(長頭) |
| 内転 |
大胸筋・広背筋・大円筋 |
| 外転 |
三角筋(中部)・棘上筋・上腕二頭筋 |
| 内旋 |
肩甲下筋・大胸筋・広背筋・大円筋 |
| 外旋 |
棘下筋・小円筋・三角筋(後部) |
| 水平内転 |
大胸筋・三角筋(前部)・肩甲下筋・烏口腕筋 |
| 水平外転 |
三角筋(中部・後部)・棘下筋・小円筋・大円筋 |
問題10 肩関節で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.胸鎖関節の形状は鞍関節だが関節円板が介在することにより球関節の機能を持つ。
2.肩鎖関節は胸鎖関節に比べ可動性が大きい。
3.肩甲骨関節窩と上腕骨頭の大きさはほとんど変わらない。
4.上腕骨頭は約30°前捻している。
5.烏口鎖骨靭帯は円錐靭帯と菱形靭帯に分けられる。
+ 解説
解答:1・5
2:肩鎖関節の可動性は胸鎖関節に比べ極端に狭い。
3:上腕骨頭の大きさに比べ関節窩は小さく(上腕骨頭:関節窩=約3:1)、肩甲上腕関節は可動性を主体とした構造になっています。
4:上腕骨頭は約20-30°後捻しています。大腿骨骨頭は約10-30°前捻しています。
問題11 肩関節で誤っているのはどれか。
1.肩鎖関節の形状は平面関節である。
2.関節上腕靭帯は関節包の後面を覆う。
3.肩甲骨の関節窩には関節唇があり深さを補っている。
4.正常な上腕骨の頸体角は約135°である。
5.肩鎖関節の関節面は線維軟骨で覆われている。
+ 解説
解答:2
2:関節上腕靭帯は関節包の前部を覆います。靭帯は3つ(上・中・下関節上腕靭帯)に分かれ全体としてZ状になっています。
問題12 肩関節外転120°の時の肩甲骨上方回旋角度で正しいのはどれか。
1.15°
2.30°
3.40°
4.60°
5.90°
+ 解説
解答:3
上腕骨外転3°のうち肩甲上腕関節2°外転、肩甲骨1°上方回旋で運動します。この両者の角度変化(2:1の比率)の関係を肩甲上腕リズムといいます。肩関節120°外転では、肩甲上腕関節80°、肩甲骨上方回旋40°になっています。