実習対策講座|Trail Making Test 日本語版(TMT-J)

Trail Making Test (TMT)はArmy Individual Test Batteryとして1944年に作成されました。その後、Halstead-Reitan Neuropsychological Batteryに取り入れられました。TMTは、幅広い注意・ワーキングメモリ・空間的探索・処理速度・保続・衝動性などを総合的に測定する検査法として利用されています。

国際的にはTMTに関する検査用紙などが出版されていましたが、日本には正式に出版されたものはありませんでした。そのため、検査結果の妥当性や検査の標準化が不十分でした。2019年に日本高次脳機能障害学会からTrail Making Test 日本語版(TMT-J)が発行され、日本でもマニュアル化されました。

適応条件

適応年齢は20-89歳です。検査では数字を順番に線で結ぶ、五十音順に線で結ぶ課題を行います。そのため1-25まで数えられる、「あ」から「し」までの五十音順に言えることが前提になります。しかし、検査前に数を数えさせる、「あ」から「し」まで言わせる必要はありません。

ココがポイント

検査実施前にMMSEHDS-Rを実施して認知機能の概略を評価しておくことが望ましいとされています。

実施を避けるべき状態

① 1から25まで数えられない。

② 「あ」から「し」まで五十音順に言えない

③ 失語がある(軽度でも)

④ 半側空間無視がある

①〜④のいずれかが認められる場合は原則として検査の実施を避ける必要があります。

 

検査用紙

検査はPart A練習用、Part A本試験用、Part B練習用、Part B本試験用の4種類からなる1組を使用します。検査から再検査までの期間が短い場合は練習効果が作用する可能性があるため、検査用紙は2組あり交互に使用することが可能です。

 

実施方法

TMT-Jは数字を順に結んでいくPart Aと数字と五十音を交互に結んでいく(例:あー1―いー2…)Part Bの2つで構成されます。検査はPart AからPart B、それぞれ練習から本試験の順に実施します。検査に要した時間を測定します。

練習(Part A)

 練習用紙を被験者の正面正中に固定します。被験者に鉛筆を持たせ①から⑩まで鉛筆で線を挽きながら結ぶように指示をします。検査者は①から順に読み上げながら、ボールペンなどでたどりデモンストレーションを行います。

ココに注意

・①(最初)から⑩(最後)まで鉛筆の先が紙から離さないように注意する。

・鉛筆を離さなければ手を上げてもよい。

・できるだけ早く順番に結ぶようにする。

鉛筆を①(はじめ)に置いた時点から時間を計測します。鉛筆の先が⑩(終わり)に着いた時点で計測を終了します。

本番(Part A)

手順は練習と同じです。被験者に鉛筆を持たせ①(はじめ)から㉕(終わり)まで、できるだけ早く順番に結ぶように指示をします。

 

練習(Part B)

練習用紙を被験者の正面正中に固定します。被験者に鉛筆を持たせ①―あー2―い…まで鉛筆で線を挽きながら結ぶように指示をします。検査者は①から順に読み上げながら、ボールペンなどでたどりデモンストレーションを行います。

ココに注意

・①(はじめ)からお(最後)まで鉛筆の先が紙から離さないように注意する。

・鉛筆を離さなければ手を上げてもよい。

・できるだけ早く順番に結ぶようにする。

鉛筆を①(はじめ)に置いた時点から時間を計測します。鉛筆の先がお(終わり)に着いた時点で計測を終了します。

本番(Part B)

手順は練習と同じです。被験者に鉛筆を持たせ①(はじめ)から(終わり)まで、できるだけ早く順番に結ぶように指示をします。

 

検査者への注意

順番を間違えた場合

順番に誤りがあることを伝え、正確な順番に線で結ぶように指示をします。検査者が誤反応に気づくのが遅れた場合は、正しい順番の最後の数字を示し、「この次の順番が間違っています。もう一度よく見て正確な順に進んでください」と指示をして再開させます。

ココがポイント

検査者が指摘する前に被験者自身が誤りに気づき自己修正した場合は誤反応としてカウントしない。

紙から鉛筆が離れた場合

最初から最後まで紙から鉛筆を離さないように指示をします。検査者は鉛筆を話した位置に小さく「✔️」印を付けます。そして検査終了後に鉛筆を離した回数を記録します。

ココがポイント

誤った順番を修正する際の鉛筆離しは回数に含めない。

中止基準

1.練習において課題の理解が不可能な場合

2.Part Aで本試験開始後180秒(3分)を経過した時点で中止してもよい

3.Part Bで本試験開始後300秒(5分)を経過した時点で中止してもよい

ココがポイント

Part A・Bともに検者の時間をかけて(終了するまで)実施しても構いません。誤反応や鉛筆離しの回数による中止基準はありません。

 

 

 




-評価法

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